2015年1月5日月曜日

隣家の火事の顛末

Facebookでは書きましたが、隣家が全焼しました。
少し、参考になることもあるかと思うので、まとめてみます。

まず、その時の様子から。

2015年1月2日、夜10時頃です。
玄関のドアホンが鳴りました。
その時、わが家は帰省中の家族を含めて6人。
長女夫妻は2階でうたた寝状態。
1回ソファで私がほとんど熟睡状態。
その同じリビングルームで夫、次女とボーイフレンドがテレビを見ていました。
外は元旦から断続的に雪が降り、積雪量は5㎝ほどですが、かなり温度が下がり凍っていました。
そのような時間帯にドアホンが鳴ったことに、私は不審に思い、直ぐに目が覚めました。
ドアホンに対応したのは次女、彼女の「火事だ!」と言う声に、
私はソファの上からクルッと頭を回すと、窓の外が真っ赤です。
気が付くとかなり暖かい(と言うより暑い?)
即座に、屋根だけの車庫に積み上げてある薪ストーブ用の薪に火がついたと思ったのです。夫も同じことを思ったそうです。隣家との境界線の直ぐ側です。

私はすぐに電話に飛びつき、消防署にかけようと思ったのですが、とっさに、「消防署って103?109?あ、まさか。119!だ。」震える手で119にやっとかけている時には電話の位置が一番隣家に近いので、隣のお家がもう完全に燃え上がっているのに気づきました。「火事です。**町、**番です。」と叫ぶと、「もう連絡が入って行っています。」
とにかく家から出ないと、と言うことで、6人全員が手近にあったコートを羽織り、靴を履いて外に飛び出しました。
ワンコたち2匹も怖がって逃げてしまったらと、とっさにリードでつなぎ連れて出ました。
その時は誰も何も手には持っていませんでした。

隣家にはその時、お家のオーナーさん(70歳前後のおじさん)、
そのお嬢さん二人と旦那様方、幼稚園から小学校くらいの子供さん4人おられたそうです。
わが家の6人が外に飛び出した時は子供さん4人をワンボックスカーに乗せて、50メートルほど離れた位置に停めておられ、その後ろにご自分の乗用車も停まっていました。
そして、もう消防自動車は来ていました。

お隣は3階建です。1階は作業部屋のようなものと、外壁のない柱のみの車庫。
2〜3階が住居です。2階で子どもたちは寝ようとしていたところだったそうです。
3階のお風呂に入っていたお嬢さんが、なんか煙が、と言っていると、電話のコンセントカバーから煙が出てきて、これはおかしい、漏電かと思ったらしいです。
そうこうするうちに、2階と3階の継ぎ目あたりの暖炉の煙突のあたりから炎が吹き出したようです。
消防自動車がきてから15分近く水が出なかった、と言っていました。
その頃になって、初めてわが家は隣家のお嬢さんに危ないから車をどけて下さい。と言われたのです。
私達が外に出た時、消防自動車が何とか放水をしようとするのですが、
「水が出ない!」と叫んでいました。
その5分ほどの間が一番怖かったです。
というのも、お隣にとっては燃えたお家は、別荘です。
でも、わが家はこの家が全てです。
そして、わが家のかなり大きな灯油タンクが隣家との境界間近にあり、その横には一冬分の薪を積んでいます。
タンクがダメになれば家もダメだろうと、一瞬呆然となりました。
消防の方も、その瞬間は顔色が変わり、
とにかく燃え落ちようとしている隣家よりもわが家のタンクに水をかけることに力を注ごうとされたわけです。
結局、隣家の前の道路に有った消火栓が雪で凍っており、なかなか開けることが出来なかったのが、初期消火が出来ず、燃えるに任せる状態になった原因だったようです。
自宅周りの水道栓も全て凍っていました。

かなり離れているわが家の家に沿って置いてある、床暖房と温水用の灯油ボイラーが警告音を発して止まってしまいました。たぶん、異常な高温を感知したのだと思います。
警告音を出しているボイラーを止めに入った長女達が、とにかく家族のパソコンと携帯電話を抱えて飛び出してきました。そして、何か大事なものは?と聞かれましたが、私は何も思い当たらないのです。オルガンと楽譜意外何もない〜と言いました。

ようやく、消火栓の蓋があき、そこからはとにかくうちのタンクを冷やすこと、我が家側の壁が落ちないように、こちらから集中的に放水してくださいました。

2時間以上、家族6人、身を寄せ合って雪の降りしきる中、消火を見守る事になりました。
家に入ってもいいよ、と言われたのは1時を回っていたでしょうか。
結局、大騒ぎをしましたが、車庫の屋根が溶けたのと、消防のホースで庭の植木が折れた程度で、実質的な被害はありませんでした。
別荘が燃えた隣家の方々よりわが家のメンバーの方がずっと、大騒ぎをした結果となりました。

火元はやはり、暖炉だったようです。
お隣は2年ほど前にオーナーさんがもう長年空き家であったお家を買われたものです。
その後、基礎のコンクリートをやり直したり、窓や家周りをきれいにされて、住めるようにされました。
そして、お正月、家族がよって楽しまれていたようです。
暖炉の手入れをしたほうが良いと、年末に業者さんとお話しをされたそうです。
ただ、もう、職人さんの手配がつかず、年が明けてからしましょう、とのことだったらしいです。
そのまま、かなりいろいろなものを、燃やされたようです。
わが家は薪ストーブですが、開放型の暖炉だったそうです。
非常に寒いお正月(この辺りは零下3〜4度にはなっていたでしょう)2日間通してかなり焚かれたそうです。

私の今回の経験から、みなさんにお伝えしたいことがいくつかあります。

まず、わが家に関しては、積んである薪に防火シートをかけようと思います。火の粉があたっても無事でしたが、やはり不安です。

灯油のタンクやプロパンガスのボンベはきちんと防火設備を作って欲しいと思います。
私達の家は築後13年ですので、法律があり、ブロックの小さな小屋で、屋根も防火担っている小屋にタンクが入っています。結果的には良かったと思います。
犬の散歩の折に見て歩きましたが、同じ町内でも古いお宅では灯油のタンクやプロパンガスのボンベがむき出しのところが多数ありました。ぜひ、囲っていただきたいと思いました。

薪ストーブや、暖炉は本当に気持ちのいいものです。
わが家は夫がいろいろ調べて良い薪を買い、良く乾かして煙が出ないように気をつけて燃やしています。また、煙突も屋根を突き抜けるところは2重になっています。
針葉樹などを燃やすと、とても高温になるそうです。
早速、昨日娘の旦那様と彼氏に手伝ってもらって、もう一度すす掃除をしました。
しかし、屋根を貫通しているところなど、13年経つので、また専門家に一度点検してもらおうと思っています。
床や屋根と煙突が接するところが一番危ないようです。
そして、庭木のカイヅカなどを切ったものをかなり燃やされたようです。

そして、消火栓はきちんとどこにあるのか、見てください!
そして、道路に黄色い線で囲ってあるところには、絶対に駐車をしないで下さい!
雪が降ったら除雪をしましょう。(先ほど見たら、消火栓の上に融雪剤がまいてありました。消防署の車が走っていたので、点検されたのでしょう。ちょっと遅かったけど、これからは少し安心です)







後は、この辺りは水が良いので、買い置きがありませんでした。
ところが、消火栓を使うと水道管にかなりの圧力がかかるらしく、上水道の水が濁ってしまいました。よく起こることだそうです。やはり、非常用の水は必要であると思いました。

何かがあって逃げるとき、何を持ち出すべきか、もう一度考えないといけないとも思いました。阪神淡路大震災からもうすぐ20年、喉元すぎればで少し危機管理が足りなかったなあ、と思いました。

でも、結局は人って、何を一番大事だと思って生きているのかしら、って燃え上がる火を見ながらつくづくと考えました。
こうして、皆が無事であれば良いのかしら。でも、出来上がったばかりのオルガンが燃えてしまったらあまりにも悲しい。
そして、雪の中、震えていた2匹のワンコたちを預かってくださった近所の方、本当にありがとうございました。
そして、くすぶる火を、朝まで零下の中、見守ってくださった消防と警察の方、ありがとうございました。
そして、娘の旦那様と彼氏の優しさが嬉しかったです。

消火で水がかかった木が凍りついていました。

わが家の方へ落ちてきた瓦